こんにちは、シロです。
現役で不動産の賃貸仲介営業をしながらブログ執筆をしています。
→何故ブログを始めようと思ったかはこちら 【不動産営業の本音】ブログ執筆で暴露します。
・賃貸仲介業ってなにをしているの?
・不動産屋って多いけど、取り扱い物件に違いはあるの?
・なんで微妙な物件も勧めてくるの?
こんな疑問にお答えします。
今回は正直、みなさんはあまり興味がないかもしれませんが知っていて欲しいと思って執筆いたします。
なぜなら今回の記事の内容を知らないと、良い物件に巡り会えない可能性が大きくなってしまうからです。
本記事では、不動産屋が紹介する物件の種類や仲介の仕組みを解説しています。
少し複雑になりますが図解を使って分かりやすく解説しますのでご安心ください。
仕組みを知ることによって不動産屋の営業の口車に乗せられることなく、希望の物件を探すことができるかと思います。
【結論】
- 賃貸仲介業はお客さんと家主を仲介して契約のサポートをします。
- 取り扱い物件数はほとんど変わりません。
- 不動産屋の売り上げが多い順で紹介されます。
それでは解説していきますね。
1.賃貸仲介業は借りたい、貸したいの仲介
賃貸仲介業は簡単に言うと
・借りたい→お客さん
・貸したい→家主
この両者の間に入ってトラブルが起きないようスムーズに契約事の仲介をする仕事です。
そして契約が成立したらお客さんと家主の両者から「仲介手数料」をもらって利益を上げています。
ちなみに不動産屋は一度も会ったこともなければ、話したこともない家主の物件も紹介ができるんですよ?
それはなぜでしょうか?
次でこのシステムについて解説しますね。
2.不動産屋が違っても紹介される物件は同じ
基本的に1社の不動産屋で、同じ地方や都道府県内の物件はほぼ全て紹介可能です。
なぜかと言うと、それは「レインズ」というシステムのおかげなんですよ。
このレインズは国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているネットワーク・システムの名称です。
要はレインズに貸したい側(家主)が自己所有の物件を登録しておくと、それを不動産屋が見て借りたい側に紹介が可能となります。
ただ、レインズに登録したり検索したりすることができるのは原則、会員である不動産業者に限られます。
なので家主は所有の物件を、不動産屋に紹介してもらうよう働きかけるということになりますね!
こういったシステムになっているので、ポータルサイト(スーモ、ホームズ)で同じ物件を複数の不動産屋が掲載してたりするんですよ。
正直なところ、いろいろな不動産屋を時間かけて回っても紹介される物件はほぼ同じになりますね。
では次で、賃貸物件の種類や売り上げが高くなりやすい物件について説明します。
3.賃貸物件の種類は大きく分けて5つあります。
まずは取引される物件の種類を解説しますね。
視点によって呼び方が変わるので、下図の「自社」と記載があるところを視点にして見てもらったら大丈夫です。
3-1.自社物件
これは不動産屋所有(家主)の物件のことですが
お客さんが入居すると、不動産屋の家賃収入が増えるのでわりと紹介されやすいです。
ただ、物件をたくさん所有している不動産屋が賃貸の仲介業をしているのは少ない印象ですね。
ちなみに家主との直接契約では「宅建業」に当たらないので仲介手数料が発生しません。
ご参考までに。。。
3-2.管理物件
物件には所有者がいて、ここまでの解説の通り家主に当たる存在で個人だったり法人だったりしますね。
管理物件とは、その家主の物件を不動産屋が管理料をもらって「入居者の募集、クレーム対応、清掃、点検、退去時の対応など」総合的な管理をしている物件のことを言います。
物件を管理している不動産屋は管理物件の入居者募集が上手くいかないと、家主に管理を外される可能性があるんですよ。
なので、管理物件はよく紹介されそうと思いますよね?
でも一概にそうは言えないんですよね。
なぜかというと仲介部門と管理部門は違うからです。
仲介部門は管理物件だろうが、他社物件だろうが売り上げを上げればいいんですよ。
管理を外されるのは管理部門の責任で自社で入居者を探せなくても、他社の仲介業者に入居者募集をお願いすればいいだけの話ですからね。
ちょっと複雑かもしれませんが、これが「2.どこの不動産屋でも紹介される物件はほぼ同じ」の話に繋がってきます。
次の「他社物件」はまさに自社で入居者を見つけるのではなく、他社の仲介業者に入居者を見つけてもらう話ですね。
3-3.他社物件
他社物件とは、ある家主の物件を他社が管理している物件のことを指します。
他社の管理会社が募集広告を出して(レインズに登録)それをあなたが来店した不動産屋が見て紹介する流れです。
不動産屋から紹介される物件数でいくと、この他社物件が一番多いですね。
理由は、当然ですが自社(1社)の物件数より他社(複数社)の物件数の方が多いからです。
でも自社(管理)物件の空室があれば、そればっかり紹介してくるんでしょ?と思うかもしれません。
しかし仲介部門は売り上げ重視なので、他社物件でも売り上げが高ければ普通に勧めてきますよ。
他社物件でも売り上げが高くなる仕組みについては、長くなってしまうのでまた別記事で解説します。
3-4.オーナー物件
オーナー物件とは管理会社が入っていない物件のことを言います。
なので、ある物件を家主が自分で管理しているということになりますね。
戸数の多い大きいマンションなんかは基本的に管理会社が入っていますが、反対に戸数の少ないアパートなんかはオーナー物件が多いです。
不動産屋(仲介業者)はオーナーとの直接交渉ができるため融通も利きやすく、条件交渉も通りやすいですよ。
あと、基本的にオーナー物件はレインズには登録されていません。
ちなみに「個人」オーナーだと管理に限界があるのでそこは妥協しましょう。
3-5.専任物件
これは地域によって若干、意味合いや呼び方が違ってきますが先ほどの「オーナー物件」と管理の形は同じです。
違うのは入居者の募集を1社の不動産屋に任せているところですかね。
専任の不動産屋次第では、そのお店でしか紹介されない場合もありますし(スーモやホームズには掲載されている場合が多い)
募集が上手くいかないと専任を外されるため、レインズに掲載をして他社にも募集を出している場合もあります。
ただ「管理」を専任の不動産屋がしているわけではないので、入居後に何かあった場合は家主と直接やり取りをすることになります。
次は不動産屋の売り上げが高くなりやすい物件をご紹介します。
4.売り上げが高くなりやすいのは「専任物件」です。
専任物件は1社の不動産屋に入居者の募集を任せている物件だと説明しました。
これがなぜ売り上げが高くなりやすいのでしょうか。
簡単な話です。
「物件情報」が外に出ないからですね。
通常、レインズに掲載されている物件はいろんな不動産屋に募集をかけているので条件が統一されています。
だって1つの物件で不動産屋によって条件が違ったら大変ですよね。
スーモ、ホームズに掲載されている物件で、複数の不動産屋が同じ物件の取り扱いがあっても契約条件は全て同じはずです。
家主が決めた条件を各不動産屋がお客さんに紹介しているに過ぎないですからね。
なので、仮に条件を変えたとしても、最近はネットが発達しているのですぐに変だと気付かれると思います。
でも「物件情報」が1社からしか出ない専任物件では言葉は悪いですが、やりたい放題できるわけです。
他社から紹介できない分、付帯費用なんかを結構乗せてきたりすると思いますねー
また付帯費用として「保証会社」や「火災保険」の売り上げも不動産屋に入ります。
こういった理由から、お客さんの希望条件から多少外れていても「専任物件」は紹介されやすいかと。
あと他の物件タイプについては売り上げの種類もいろいろあって一概に言えないので、順番は似たり寄ったりかなと思います。
売り上げの種類、仕組みについても別記事で解説します。
5.まとめ
ここまでいかがでしたでしょうか?
結論
- 賃貸仲介業はお客さんと家主を仲介して契約のサポートをします。
- 取り扱い物件数はほとんど変わりません。
- 不動産屋の売り上げが多い順で紹介されます。
以上ですね。
大手、中小などの規模に関係なく、不動産会社の紹介できる物件数は基本的に全て同じで、
不動産屋は売り上げが高くなりやすい「専任物件」を優先的に紹介してきます。
今度は不動産屋がよく紹介してくる「売り上げが高い物件の特徴」や「専任物件の売り上げ」について深堀りしたいと思います。
また時間があったら読んでください。
ではでは~