こんにちは、シロです。
現役で不動産の賃貸仲介営業をしながらブログ執筆をしています。
→何故ブログを始めようと思ったかはこちら 【不動産営業の本音】ブログ執筆で暴露します。
賃貸の途中解約ってできるの?
違約金はかかるのかな?
解約するときはどうしたらいい?
こんな疑問にお答えします。
本記事を読むと退去時に無駄なお金がかからないように引越しできますので、新居探しもスムーズにできます。
契約の解約時や退去関係は何かとトラブルになりやすいので本記事で対策をしてもらえたら幸いです。
【結論】
- 途中解約は可能です。
- 違約金は基本かかりません。
- 管理会社(家主)に「解約通知書」を出すだけです。
1.賃貸契約の途中解約は可能
賃貸契約は1年または2年契約が多いですが、携帯みたいに縛りは特にありません。
つまり解約予告期間さえ守れば、いつでも解約できますよ!
「解約予告期間」とは「契約書」や「重要事項説明書」 に記載がありますが、ほとんどは「1ヵ月」以上前の予告です。(たまに2カ月以上前)
甲(貸主)は乙(借主)に対し6ヵ月以上前に、乙は甲に対して1ヵ月以上前に書面にて予告することで本契約を解約することができる。
契約書にこんな感じの条文があるかと思います。
また、よく上記の条文とセットになっているのが
乙(借主)は賃料などの1ヶ月分の相当額を甲(貸主)に対して支払うことにより本契約を即時解約することができる。
こういった条文なのですが「1ヵ月分の家賃」を支払えばすぐ契約を解除できるということですね。
まぁ即時解約だと即時退去しないといけないのでオススメはしないですけどね。
ちなみに貸主(家主)からの契約解除、途中解約、更新拒絶は正当事由がないとできません。
正当事由
・家賃滞納があり催促しても何ヶ月も滞納
・騒音等の明らかな迷惑行為があり、注意をしても改善が全く見られない場合
・建物の老朽化で建替えが必要な場合
また厳密に言うと契約解除、途中解約、更新拒絶の正当事由はかなり複雑なのですが、このあたりは少し難しいのでまた別記事で解説します。
今回覚えておいてほしいのは
そんなに古くない物件(築40年未満ぐらい)で普通に生活していれば家主から追い出されることは、まず有り得ないということですね。
1-1. 家賃はいつまでかかるのか?
先ほど2つの一般的な条文の例を使って解説した通り、解約通知を出してから1ヵ月分(来月分)の家賃はかかります。
上記の図が一般的な解約のイメージですが、ここで問題になってくるのが退去時の家賃計算です。
退去時の家賃計算の方法は3パターンあって
退去時の家賃計算のパターン
- 【月割】→いつ退去しても1ヵ月分の家賃がかかる
- 【半月割】→1日~15日の退去なら半月分の家賃、15日~月末の退去なら1ヵ月分の家賃がかかる
- 【日割】→いつ退去しても退去日までの家賃でOK
こんな感じです。
いつ退去するか、いつ引越しするかはここの家賃計算方法で結構変わってきますよね。
お引越しの初期費用は高額ですので、退去時に無駄なお金がかからないように「退去時の家賃計算の方法」を契約書や重要事項説明書でしっかり確認してくださいね。
2.原則、違約金もかかりません
賃貸契約を途中解約するにあたって原則、違約金はかからず退去日までの家賃や原状回復費用のみで解約できるのが基本です。
ただ、物件によっては「短期解約違約金」がかかる場合があります。
短期解約違約金とは
- 家賃や敷金、礼金を下げる代わりに長く住んでほしい。
- 家主の家賃収入とリフォーム代などの採算が合わず、次の入居者が見つかるまでの損害を補填したい。
こんな感じの意図があって設定されるものです。
まずは契約書や重要事項説明書の「特約」または「損害賠償額の予定または違約金に関する事項」の項目を確認してください。
違約金が発生する場合はそちらの項目に
・短期解約違約金として1年未満の解約の場合、賃料1ヵ月分を支払うものとする。
こんな感じの内容が記載されているかもしれません。
だいたい1~2年未満の解約で賃料の1~2ヵ月分を違約金として設定している場合が多いですね。
もしそういった記載があれば退去時に違約金の支払いが必要になりますが、敷金を預けているときはそこから差し引くこともあります。
ここで注意なのが、あまりにも借主に不利な条件は必ずしも守る必要はありません。
例えば
家賃が特に相場より低いわけでもなく、敷金、礼金も下げてもらってないのに短期解約で6ヵ月分の違約金が必要
これは契約書で明確な合意があったとしても借主の利益を一方的に害する不当な条件なので、「消費者契約法第9条」によって一部無効になります。
もし、あまりにも不利な条件だな...。と感じる場合は交渉するか「都道府県の宅建協会」や「国民生活センター」に相談しましょう。
3.解約の方法
賃貸契約を解約し退去する場合は、管理会社(家主)に解約通知を「書面」にて提出する必要があります。
電話など口頭で受け付けてくれる場合もありますが、言った言わないでトラブルになるので必ず書面で通知しましょう。
この書面の「解約通知書」は契約書と一緒にくっついていたり、契約時に書類をもらっているはずです。
もし紛失している場合は管理会社(家主)に連絡したら再発行してもらえますよ。
また解約通知をすると基本的に「撤回」はできません。
というのも、解約通知があると家主や管理会社は「退去予定」で部屋の募集を始まるからです。
新築や築浅物件では人気物件ということで入居倍率が高いため、次の入居者が物件を内覧せずにこの「退去予定」で入居申込みをすることが結構あります。
なので、解約通知後にすでに次の入居者が決まっていた場合は解約通知の「撤回」はできませんので注意してください。
もし、まだ次の入居者が決まっていないときは撤回や退去日の延長ができることもありますので一度相談してみましょう。
あと物件の退去時には「退去立会い」をしないといけないのですが、それを次で解説していきますね。
4.退去時の清算
賃貸契約を解約し退去するときは、まず退去日を決めて「退去立会い」をしないといけません。
退去立会いとは
退去時に荷物を全て出して不動産業者と室内の破損箇所などを確認する作業で、借主負担の現状回復の説明があります。
借主の現状回復費用の負担について詳細は、国土交通省の「現状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(25、26ページの「別表3」が分かりやすいです。)をご参照ください。
上記のガイドラインは152ページと長いのですが要約すると「自然損耗」「経年劣化」「借主の故意、過失以外」は特に借主の負担はありません。
ちなみに借主負担の例としては
借主負担の例
- 押しピンOK ネジ、クギNG
- ペットによる汚損、破損
- タバコによるクロスの黄ばみ
- 結露や換気を怠ったことによるカビの発生
こんなところが代表格ですね。
またガイドラインにも記載があり、当然ですが長く住んだほうが借主負担については軽くなりやすいです。
借主負担の現状回復費用は退去立会い後、後日、請求書が送付されてきますので内容を確認して問題がなければ支払いましょう。
敷金があれば差し引いた額の返還があり、敷金のオーバー部分については別途請求があります。
もし請求の内容について疑問点などあれば不動産屋に確認するか「都道府県の宅建協会」や「国民生活センター」に相談してくださいね。
まとめ
ポイント
●途中解約は可能
●違約金は基本かからない
●解約は管理会社(家主)に「解約通知書」を出すだけ
ということで、解約予告期間さえ守れば賃貸契約の途中解約は普通にできます!
あとは「短期解約違約金」付きの物件なのか、「原状回復費用」がどれぐらいかかるかですが
●短期解約違約金→契約書で確認
●原状回復費用→部屋の中がどれぐらい損耗しているかによる
こんな感じですね。
最後に「退去立会い後」は、部屋の鍵をコピーを含めて全部返却しないといけないので、返却する鍵も準備しておきましょう。
もしなにか過剰に請求されそうでしたら「都道府県の宅建協会」や「国民生活センター」に忘れずに相談しましょう。
ではでは~