賃貸契約の流れ

賃貸の重要事項説明書とは?本当に大切なところを解説します。

 

こんにちは、シロです。

現役で不動産の賃貸仲介営業をしながらブログ執筆をしています。

→何故ブログを始めようと思ったかはこちら 【不動産営業の本音】ブログ執筆で暴露します。

 

皆さん、賃貸契約の際に説明がある書類の「重要事項説明書」って知っていますか?

この書類の説明を理解していないと後々、トラブルになりますので

この記事では

ポイント

・重要事項説明書とは
・どんな説明がある?
・注意するところは?

こんな疑問にお答えます。

記事を読み終えると、「重要事項説明書」をしっかり理解できますし、お引越しのトラブルを避けることができます。

 

 

1.重要事項説明書とは

 

重要事項説明書(以下重説という)とは簡単に説明すると「契約書」の本当に大事なところを分かりやすく抜き出したものです。

 

なぜ重説が必要かいうと、契約書の条文(賃貸なら大体30条ぐらい)なんて読みませんよね?

 

しかも読んだところで、覚えてないし専門用語が多くて理解も難しいと思います。

 

でも理解していない内容の契約なんて怖すぎますよね...

 

そこで「重説」契約書の最低限は理解してほしいところを、分かりやすく説明することになっています。

 

ちなみに不動産業者は重説を「契約前」にしないといけませんので 重説後、契約内容に納得いかなければ「キャンセル」も可能ですよ。

 

そもそも重説はどういった契約内容なのかを理解してもらって、お客さんに契約するかしないかの大切な判断をしてもらうものですからね。

 

不動産会社の社員
不動産屋
契約の重要事項を説明しましたが、このまま進めても大丈夫ですか?
大丈夫ですよ!
笑顔のお客さん
お客さん

 

2.重説のルール

 

この重説の「やり方」にも厳しいルールがあります。

・書面を交付
・口頭で説明
・取引士証の提示
・取引士が説明

宅地建物取引業法(第三十五条)

 

このルールを守らないと不動産屋は行政処分の対象となります。

では、1つずつ説明しますね。

 

2-1.「書面の交付」

 

これは契約事では当然ですが「言った言わない」を防ぐためや「口頭だけの説明」では専門用語があり難しいためです。

 

じゃあどんな書面なの?ってなると思いますが形式や書式は業者によって結構違います。

 

ただ、記載内容はほぼ決まっていて形が違うだけです。

なので同じ物件ならば同じ説明内容になりますね。

 

詳細な説明項目については下記リンクの下部「重要事項説明の流れ」をご参照ください。
公益社団法人 全日本不動産協会 重要事項説明書とは

重要事項説明書の説明項目

 

後ほど、説明項目のここだけは押さえておきたい 「本当に大切なところ」について説明いたします。

 

2-2.「口頭で説明」

 

これは書面を渡して読んでもらうだけではなく、質疑応答を含めしっかり説明する必要があるということです。

なので、分からないところがあれば納得のいくまで質問してくださいね。

 

2-3.「取引士証の提示」

 

「取引士証」とは宅地建物取引士の免許証なのですが

 


  • step.1


    国家試験の宅建に合格


  • step.2


    宅地建物取引士として営業(仕事)をする都道府県で登録


  • step.3


    知事から交付される


上記の流れで取得できます。

宅地建物取引業法(第十八条、第十九条、第二十二条の二)

 

この「取引士証の提示」は次の「説明する取引士」本人確認の意味合いもありますのできちんと提示があるか注意しましょう。

 

また、重説の記載事項で説明をする取引士「記名押印」も必要です。

 

ポイント

取引士証」「説明をする取引士」「重説の記名押印」この3点が同一人物かしっかり確認しましょう。

※「取引士証の見本」

宅地建物取引士証

 

2-4.「取引士が説明」

 

先ほどの「取引士証」を交付されている「宅地建物取引士」が重説を説明しないといけません。

 

不動産屋
「急遽、説明予定の者が外出になってしまって〜」
はぁ…
困ったお客さん
お客さん

こんな事が結構あると聞きます。

不動産はトラブルが多いので、きちんと免許のある宅地建物取引士に説明をしてもらいましょう。

 

3.具体的に何の説明なのか?

 

2-1.」で説明した通り、不動産業者によって形式は違いますが、内容は大きくは同じです。

要は物件の契約条件や特徴、注意点を説明するものです。

 

重説の中でもトラブルを避けるために「絶対に押さえておきたい」ところをご紹介しますね!

 

3-1.物件の名称、住所、構造、築年数

 

ここを間違えることはないと思いますが、念のため確認しておきましょう。

契約しようとしている物件の基本情報です。

 

3-2.賃料並びに賃料以外に授受される金銭

 

これは業者によっていろいろと呼び方があるのですが、要はお金の契約条件の話です。

物件資料や予定していた契約条件と相違がないか確認しましょう。

また家賃共益費(管理費)駐車場代駐輪代など毎月の固定額以外のお金で

チェックリスト

  • 礼金
  • 敷金
  • 保証金
  • 保証会社費用
  • 火災保険(総合保険)費用
  • その他付帯費用

こういった金額の間違いはないか、使用目的更新も絶対に確認しておきましょう。

不動産は本当に金銭トラブルが多いので確認忘れがないようにしてくださいね!

 

3-3.設備の整備状況

 

キッチントイレ浴室その他の設備の整備状況の説明です。

設備は入居後の生活に大きく影響しますので要チェックですね!

 

意外に聞き逃しが多いのが「給湯設備関係」です。

まず「都市ガス」「プロパンガス」「ガスなし(オール電化)」のどの設備になるかです。

 

どれになるかによって、契約するガス会社月々の光熱費が変わってきますのでしっかり確認しておきましょうね。

あと古い物件は注意が必要なのですが、キッチン、洗面、浴室の全てでお湯が出るのかも聞いておきましょう。

 

基本的に、建物の設備は家主の所有物なので入居者の「故意、過失以外の故障」家主負担で修理してもらえます。

ここで気をつけないといけない代表格は「コンロ」「ウオシュレット」「エアコン」でして、前の入居者が残していった物(残置物)の可能性が比較的高い3点です。

 

家主のスタンスとしては残置物の場合、使用するのは構わないが「性能保証はしません」というのが多いです。

(単身用のエアコンは「設備」の場合がほとんどです。)

 

また、消耗品入居者負担で修理、交換しないといけません。

例えば照明の電球水道のパッキンなど、ここも注意が必要ですね。

 

チェックリスト

  • キッチン、トイレ、浴室などの設備の説明
  • 「都市ガス」「プロパンガス」「ガスなし(オール電化)」の確認
  • キッチン、洗面、浴室の全てでお湯が出るのか確認
  • 入居者の「故意、過失以外の故障」は家主負担で修理
  • 残置物は性能保証なし
  • 消耗品は入居者負担で修理、交換

 

どこまでが物件の設備かしっかり確認しておきましょうね!

 

3-4.敷金の清算方法

 

敷金もトラブルになりやすいですね。

退去時の話なので、あまり頭に入らないかもしれませんがここも注意が必要です。

 

敷金とは入居時に預けるお金のことで、主に退去時のクリーニング費用や入居者負担の修繕費に使われます。

ここでトラブルになりやすいのは、割とざっくりとした説明しかなかった場合です。

 

なので、どこまでが入居者負担で退去時に直さないといけないのか確認しておきましょう。

 

一番良いのは、「現状回復義務は国交省のガイドラインに従う」といった文言を記載してもらうことですね。
※現状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)(25、26ページが分かりやすいです。)

 

上記のガイドラインは152ページと長いのですが要約すると「自然損耗」「経年劣化」「入居者の故意、過失以外」は特に入居者の負担はありません。

 

このガイドラインは結構、事細かく説明があるのでかなりトラブルは回避できると思います。

 

ただし、ここで注意です。

ガイドラインにも下記の通り記載があるのですが

 

① 特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること

② 賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること

③ 賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること

※引用「現状回復をめぐるトラブルとガイドライン」再改訂版 7ページ

 

これを満たせば「特約」をつけることが可能です。

 

分かりやすくいうとお客さんの了承があれば、明らかにおかしい特約でない限り可能ということです。

 

よくあるのが「退去時クリーニング費用」の定額設定で、大体20,000円~40,000円です。

 

もちろん、クリーニング費用が定額だからといって「入居者の故意、過失」が免除されるわけではないので注意してください。

 

なので何か室内設備を「故意、過失」で壊してしまったり、傷つけてしまったら 「クリーニング費用」+「修理代」を請求されます。

 

重説や契約書にもこういった「特約」がないかしっかり確認しておきましょうね!

 

また清算後の敷金はいつ返還されるのか返還方法はどうなのかも合わせて聞いておいたら吉です。

 

チェックリスト

  • 敷金とは入居時に預けるお金
  • 主に「退去時クリーニング費用」や「入居者負担の修繕費」に使われる
  • 「現状回復義務は国交省のガイドラインに従う」という文言を記載してもらう
  • 特約でよくあるのは「退去時クリーニング費用」で20,000円~40,000円ぐらい
  • 特約は一般的な範囲で契約者の了承を得れば可能
  • 敷金の返還時期、返還方法も確認

 

3-5.契約期間や更新の内容

 

ここで絶対に確認しておくのは「定期借家の有無」と「更新料の有無」の2点です。

 

3-5-1.定期借家の有無

 

定期借家とは約で定めた期間で一旦終了する契約です。

 

例えば、「定期借家2年」なら入居後2年で契約が一旦終了し、家主の合意がないと更新できません。

 

どうしても定期借家は、立場的に家主が強くなるのでよく避けられますね。

 

賃貸物件の契約はこの「定期借家」と一般的な「普通賃貸借契約」(一般賃貸借契約など呼び方は様々)のどちらかになります。

 

普通賃貸借契約」は大体1~2年契約(自動更新)で、こちらは居者の立場がかなり強くなります。

 

家主側からは正当事由がないと更新拒絶ができません

 

家主の正当事由の例

・家賃滞納が3ヶ月以上に渡って続いている
・入居者の素行がかなり悪く、注意しても改善が全くない(証拠が必要)

などなど。

 

ちなみに入居者側からの更新拒絶は特に理由がなくても可能ですよ。 その代わり、退去しないとダメですけどね。

 

3-5-2.更新料

 

更新料はその名の通り、契約更新の際にかかるお金のことです。

 

例えば2年契約契約日が8月ならば、2年後8月中に9月分の家賃と一緒に支払いになります。

ただ契約更新といってもほとんどの場合が、書類手続きなど特別何かするわけではありません。

 

ある日突然、家賃と一緒に数千円~数万円の振込みが必要だったり、引落しされてもびっくりすると思います。

なので、更新料があるかどうか、支払い方法も絶対に確認しておきましょうね。

 

また、更新料とは別に「更新事務手数料」も必要な物件もあったりします。

 

●更新料→家主に支払う費用(大体5,000円~賃料1ヵ月分)
●更新事務手数料→不動産会社に支払う費用(大体5,000円~賃料0.5ヵ月分)

 

更新料」、「更新事務手数料」をダブルで請求してくる管理会社もあるので注意してくださいね!

 

チェックリスト

  • 「定期借家」の契約は注意!
  • 定期借家は家主の立場が強い
  • 「更新料」、「更新事務手数料」ダブルで請求される場合もある
  • 更新料は「家主」に支払うお金
  • 更新事務手数料は「不動産会社」に支払うお金

 

3-6.契約の解除に関する事項

 

ここで見ておかないといけないのは、解約(退去)するときはいつ言えばいいのかです。

居住用賃貸だと多くは1ヵ月前(たまに2ヵ月前)ですね。

 

なので、8月中に解約する場合は7月中です。

注意点としては多くの場合、きちんと1ヵ月前でなくてもいいということです。

 

???となるかもしれませんが、基本的に解約月は日割計算ではなく月割」計算なので

 

例えば

・7月20日に8月31日で退去します。
・7月30日に8月20日で退去します。

この2つとも8月分の家賃は1ヵ月分として(日割計算しない)かかります

 

要は7月中に8月で解約すると申し入れしたとして、8月の1日に退去しようが、31日に退去しようが

7月に8月分として払う家賃は同じということです。

 

また解約申入れが8月に入ってしまうと、今度は9月分の家賃が1ヵ月分かかるのでご注意ください。

なので8月中に退去するのが決まっているなら、とりあえず末日退去にしておいた方が得策ですよ!

 

もちろん退去時は「退去立会」をしないといけないので、末日に立会が可能ならばですけどね。

 

ちなみに退去立会とは、退去時に荷物を全て出し不動産業者と室内の破損箇所などを確認する作業です。

 

立会時に鍵を返却しないといけないので、その日以降は室内に入る事はできません。

 

ここも注意してくださいね!

チェックリスト

  • 解約は何カ月前に言えばいいか確認
  • 解約月は「月割計算」が多い
  • 解約月は初旬退去、下旬退去のどちらでもかかる家賃は同じ
  • 解約時は「退去立会」が必要
  • 退去立会の時に鍵を返却する

 

解約月の図解

 

3-7.その他特約

 

ここはかなり重要なところですよ!

 

注意ポイント

この「特約」だけは重説だけでなく、「契約書」でも確認してくださいね!

 

特約」とは契約書の一般的な条文とは別に、物件やその時の状況によって特別にする約束のことです。

 

これは後々トラブルにならないように物件の号室、そのお客さんによって細かく記載されます。

 

例えば

特約の例①

違約金がある場合→敷礼ゼロ物件に多いです。

「1年未満解約の場合、短期解約違約金として借主は貸主に総賃料の2ヵ月分を支払うものとする。」

 

特約の例②

前入居者が残していったエアコンがある場合など

「エアコンは残置物とし、性能保証はしないものとする。」

 

特約の例③

退去時クリーニング費用がある場合

「退去時はクリーニング費用として20,000円を借主は貸主に支払うものとする。」

 

上記のように割と自由な約束事が可能です。

 

なので、今回の契約でどういった特約があるか必ず確認しておきましょう。

契約後に、「聞いていません。」となっても契約書にサインしていれば原則言い逃れはできません。

 

逆にトラブルになりそうな心配事があれば、細かく記載してもらうよう不動産屋に頼んでみるといいですよ。

 

また、いくら特約といえど明らかに借主にとって不利な約束や大きすぎる金額は記載できません。

 

もし、「これはいくら何でもおかしい…」と思うような特約が付いている場合は都道府県の宅建協会国民生活センターに一度相談してみましょう。

 

チェックリスト

  • 「特約」は重説だけでなく「契約書」でも確認
  • 借主に明らかに不利な特約は無効
  • 違和感を感じた特約は「宅建協会」や「国民生活センター」に相談

 

 

4. 契約書との違い、優先度

 

重説はあくまで物件の説明書です。 なので、当然ですが契約書の方が優先度は高いです。

なぜなら契約書にサインすると、その契約で納得したことになるからです。

 

ただ、契約書を読んでもよく分からないという場合や条件の再確認の意味合いで重説があります。

 

では、重説が間違っていた場合どうなるのか?

 

重説が間違っていても原則、契約の解除にはなりません。 その代わり、損害賠償請求は可能です。

 

例えばエアコンが1台付いていると説明があったのに、いざ入居したときになかったなど

こういった場合は、エアコンを付けてもらえば解決ですよね?

 

でもペットを飼育できると説明を受けていたのに、実際は飼育できなかった場合などは 取り返しつきません。

 

重説でペット飼育可になっていても、契約書でペット不可になっていればその物件では飼育できません。

 

この場合は、重説をした不動産屋に損害賠償請求で再引越しのお金を出してもらうなどの手段になってくると思います。

 

こういったトラブルの可能性もあるので、責任の所在という意味でも「重説」はしっかりしてもらって、控えは大切に残しておきましょう。

 

契約書と重説の違い

 

5.まとめ

 

なるべく分かりやすく「重要事項説明書」についてご紹介しました。

 

またここまで読んでもらったら分かるかと思いますが

 

・インターネット
・ケーブルテレビ
・ゴミ捨て場
・駐輪場
etc

 

こういった細かい事項は口頭で説明があっても、重説には基本的に記載はありません。

 

なので、上記のことも記載してほしい場合は不動産屋に依頼してみましょう。

あまり一般的ではありませんが、記載してくれるところもあると思います。

 

重説は契約をするかどうかの大切な判断材料になってきますので、不動産屋にはしっかり説明してもらってください。

 

きちんと説明をする業者は良い業者ですので、重説に納得できたら安心して契約手続きをしてくださいね!

 

重説を適当にして契約を急ぐ不動産屋は、後々トラブルに発展する可能性があるので注意しましょう。

 

ちなみに重説後にキャンセルされるのは、業者としてはかなり痛いです。笑

 

もし時間があるなら事前に契約書のひな形をもらって読んでみてもいいかもしれませんね。

 

ではでは~

 

 

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