賃貸の契約に必要な書類【賃貸契約の流れ】徹底解説

 

 

こんにちは、シロです。

 

現役で不動産の賃貸仲介営業をしながらブログ執筆をしています。

→何故ブログを始めようと思ったかはこちら 【不動産営業の本音】ブログ執筆で暴露します。

 

賃貸物件の契約には「必要書類」というお客さんに用意してもらう書類が何点かあります。

結構この必要書類は集めるのが大変だったりするので、事前に準備できるように今回は

 

賃貸契約の必要書類ってなんだろう?

いつまでに必要?

契約のときに他に必要なものってあるの?

 

こんな疑問にお答えします。

 

本記事を読むと、気に入った物件をスムーズに契約できることはもちろん、書類の準備が遅れて鍵の受け取りができないリスクも回避できます。

 

鍵の受け取りが遅れると

 

家賃が発生しているのに入居できない...

引越業者を頼んでいるのに荷物を室内に入れることができない...

 

こんなことになりかねないので注意してくださいね。

 

また本記事をスムーズに読むにあたって簡単にですが、下記に用語解説をしておきますので参照してください。

 

用語解説

・貸主=家主=オーナー

・契約者=借主(誰名義で借りるか)

・入居者=実際に入居する人(本人を含む)

・連帯保証人=万一の際に契約者に代わって責任を負う人

・管理会社=貸主と契約して建物管理をしている会社

・仲介業者=物件を紹介、案内、契約手続きをした不動産業者

 

1.そもそも賃貸契約の必要書類ってなに?

 

賃貸契約の必要書類とは「住民票」「印鑑登録証明書」「所得証明書」などの書類を指します。

なぜ、こういった書類が必要かというと入居申込書に記入した内容を証明するためです。

 

申込時に必要なものは「身分証」のみなので申込書には何とでも書けますからね。

入居申込書の書き方、注意点【賃貸契約の流れ】徹底解説

 

ここで結構勘違いをしている方が多いのですが、「申込み「契約」は違います。

 

賃貸契約の流れは一般的に

①入居申込書の記入

②保証会社審査

③重要事項説明

④契約書類の記入

⑤必要書類提出

⑥初期費用支払い

⑦鍵の受け取り

※④⑤⑥は順不同

 

こんな感じで進んでいきます。

 

申込時はまだ「保証会社」の審査に通っていませんので「契約」できません。

 

で、今回の「必要書類」の提出は「保証会社」の審査に通過しているので契約に向かっているところですね。

 

では次でどういった書類が必要になるのか、詳細を見ていきましょう。

 

2.家主や管理会社によって必要書類は違う

 

契約時に提出の必要書類は、もちろんですが家主や管理会社の方針によって変わってきます。

なので、下記では一般的な内容で説明しますね。

 

もし申込みしたい物件が決まったら、その時点で不動産屋に必要書類を確認するのが確実です。

 

2-1. 契約者

 

必要書類

  • 住民票
  • 顔写真
  • 所得証明書

所得証明書とは一般の会社員の方は「源泉徴収票」「給与明細」「住民税課税決定通知書」「課税証明書」などのことです。

 

また、会社員以外の方はそれぞれ所得証明の書類が変わってくるのですが

まとめると

 

●自営業、フリーランスの方は「確定申告書」または「納税証明書」

●年金受給の方は「年金振込通知書」または「年金額改定通知書」

●生活保護受給の方は「生活保護決定通知書」

 

こんな感じです。

 

それぞれ書類の説明は「3.書類の取得方法、有効期限」で解説しています。

 

2-1-1. 新社会人や転職で所得証明が出せない場合

 

この場合は、所得証明書の代わりに就職先や転職先の「在籍証明書」「内定通知書」「採用通知書」のいずれかが必要になってきます。

 

もし、手元にない場合でも就職先や転職先にお願いしたら出してもらえますよ。

 

2-1-2. 未成年の場合

 

現行の法律では20歳未満の方を未成年者と指しますが(民法第4条)、民法改正があり2022年4月1日以降は18歳未満が未成年者となります。

 

未成年者が契約者になる場合「親権者の同意書」が必要で、これがないと原則、契約者にはなれません。

 

よくあるのが

 

「親権者(両親など)」が契約者

「未成年者(子どもなど)」が入居者

 

こういった契約パターンが多いですね。

 

ただ、どうしても社会的信用の観点から「契約者」が「未成年者」の申込みですと「親権者の同意書」や「継続的な収入」があっても、わりと入居審査には通りにくいのはありますね。

 

2-2. 入居者

 

必要なモノ

  • 住民票
  • 顔写真

※ペット飼育時は、ペットの写真も必要な場合が多いです。

 

2-2-1. 入居者が学生の場合

 

よく親が「契約者」で大学生の子どもが「入居者」という契約パターンがあるのですが

この場合は入居者の「学生証」「合格通知書」が必要だったりします。

 

2-3. 連帯保証人

 

必要書類

  • 印鑑登録証明書

 

基本的にはこの1点のみですが たまに「所得証明書」「住民票」が必要な場合もありますね。

 

2-4. 緊急連絡先

 

「緊急連絡先」とは連帯保証人を付けない場合に設定するパターンが多いですが

 

その名の通り、契約者に連絡がつかないときなど緊急時の連絡先ですね。

 

特に書類は必要ない場合がほとんどですが、契約書には「署名、捺印」が必要になる場合が多いです。

 

 

3.書類の取得方法、有効期限

 

ここまで紹介してきた必要書類を

 

どこで手に入れたらいいのか?

取得してから有効期限はあるのか?

 

こんな疑問も出てくると思うので、それぞれ記載していきますね!

 

ただ、市区町村や会社によって取得方法、請求方法は微妙に違ってきますので詳細については

お住まいの市区町村やご勤務先に確認してください。

 

・住民票

 

住民票は現住所(引越し前)のものが必要なので注意してください。

 

・取得方法

最寄りの役所、郵送、コンビニ交付

 

本人が窓口で請求の場合は「本人確認書類」が必要です。

 

また代理人による請求も可能ですが、その場合「委任状」(本人と同一世帯の方は不要)が必要になります。

 

郵送請求や委任状の書式については、役所のホームページにありますのでそちらをご活用ください。

 

コンビニ交付は便利ですが、「マイナンバーカード」「住民基本台帳カード」が必須です。
コンビニ交付のやり方

 

あと、ちなみに「広域交付住民票」というものがありまして記載事項は限定されますが、全国どこの市区町村からでも、住民票を取得できます。(ただし、住民基本台帳ネットワークシステム未接続市区町村を除く。)

 

例えば、東京から大阪に転勤になったとしても大阪の役所で東京の住民票を取ることができますよ。

 

・有効期限

発行から3ヶ月以内

 

・印鑑登録証明書(印鑑証明)

 

これは任意の印鑑を市区町村の役所に登録したという公的な証明書です。

登録した印鑑を「実印」と言い、実印と印鑑証明が揃うことによって「確かに本人が実印を使って押した書類」であることが認められます。

 

・取得方法

印鑑登録した市区町村、コンビニ交付

 

本人が窓口で請求の場合は「印鑑登録証」「印鑑登録証を兼ねる住民基本台帳カード」または「マイナンバーカード」が必要です。

 

また代理人による請求も可能ですが、その場合「本人の印鑑登録証」「委任状が必要になってきます。(委任状は自治体によっては不要)

 

コンビニ交付の場合は、印鑑登録証を兼ねる「マイナンバーカード」「住民基本台帳カード」で発行できますよ。

 

印鑑証明は大事な取引(自動車売買、住宅売買など)に使用するもので、重要な書類ということもあって取得方法がめんどうだったりします。

 

なので、引越しの際の手続きや取得方法については管轄の自治体に確認しておくのがオススメです。

 

・有効期限

発行から3ヶ月以内

 

・住民税課税決定通知書、課税証明書(自治体によって名称が異なる場合があります。)

 

なんだか難しそうな名前の書類ですが、簡単に言うと納めている住民税の額が記載されている書類です。

 

2つは微妙に違う書類なのですが、前年度の所得が記載されているので所得証明ができます。

 

「住民税課税決定通知書」→前年度の6月~5月の所得を証明

「課税証明書」→前年度の1月~12月の所得を証明

 

・取得方法

「課税証明書」→市区町村の役所、郵送(再発行はできます。)

「住民税課税決定通知書」→毎年6月頃に勤務先から渡されます。(再発行はできません。)

 

「課税証明書」は役所発行の書類なのですが

 

「現在住んでいる自治体」ではなく「その年の1月1日時点に住民登録していた自治体」で手続きをしないと発行できません。

 

本人が窓口で請求する場合は「本人確認書類」が必要です。

 

また代理人による請求も可能ですが、その場合「委任状」(本人と同一世帯の方は不要)が必要になってきます。

 

郵送請求や委任状の書式については、役所のホームページにありますのでそちらをご活用ください。

 

・有効期限

直近の年度分のもの

 

・確定申告書

 

自営業フリーランスの方の所得証明は、この「確定申告書」や次の「納税証明書」になります。

 

・取得方法

管轄の税務署、郵送、e-Tax(国税電子申告・納税システム)

 

税務署で確定申告した場合は、その場で控えをもらえます。

 

郵送やe-Taxシステムの場合ですが、下記リンクが分かりやすくてオススメです。
確定申告の控えに関するポイント

 

・有効期限

直近の年度分

 

・納税証明書

 

これは「都道府県、市」の納税証明書ではないことに注意してください。

 

ややこしい事に納税証明書という名の書類は税金ごとに存在します。

 

もちろん、所得が記載されていれば所得証明になり得ますが基本は記載されていません。

 

ここでいう「納税証明書」自営業やフリーランスの方が「税務署」で「確定申告書」をもとに請求する書類のことを言います。

 

所得証明としては「納税証明書(その1)」「納税証明書(その2)」が必要です。

 

・取得方法

管轄の税務署、郵送、e-Tax(国税電子申告・納税システム)

 

詳細を書くと長くなるので、こちらも分かりやすいリンクを貼っておきます。
納税証明書の交付請求手続

 

・有効期限

直近の年度分

 

・源泉徴収票

 

一般的に毎年12月頃に勤務先から配布される書類で、前年度の収入が記載されているので所得証明になります。

 

源泉徴収票は発行義務があるので、紛失した場合や退職した会社にも頼めば発行してもらえます。

 

・取得方法

勤務先から配布(紛失した場合も総務などに言えば大抵、再交付してもらえます。)

 

・有効期限

直近の年度分

 

・給与明細

 

勤務先の印鑑が押してあれば信用度は高いですが、それ以外は偽造が簡単にできてしまうという観点から所得証明として受け付けてくれないところもあるので不動産屋に確認が必要です。

 

また多くの場合、最低3ヶ月分は必要になってきますのでご注意ください。

 

・取得方法

勤務先から配布

 

・有効期限

直近3ヶ月分

 

・顔写真

 

これはお客さんと直接話しをした仲介業者はともかく、管理会社や家主は入居者の顔が分からないので

 

物件のどの号室に誰が住んでいるか居者の入れ替えなどは勝手に行われてないか判別するためです。

 

必ずしも証明写真である必要はなく、スナップ写真(携帯カメラ等で撮影したもの)でも大丈夫です。

 

要は契約者や入居者がどの方か判別できれば問題ありません。

 

ただ、プリクラや画像編集アプリの写真は不可です。

 

・取得方法

証明写真、スナップ写真、写真データ

 

・有効期限

現在の顔が判別できれば問題ありません。

 

・(生活)保護決定通知書

 

生活保護受給の方の所得証明になります。

 

・取得方法

市区町村の役所(保護費に変更があれば自宅に郵送があります。)

 

・有効期限

直近月のもの

 

・年金振込通知書または年金額改定通知書

 

年金受給の方の所得証明になります。

どんな書類かは下記リンクをご確認ください。
「年金額改定通知書」、「年金振込通知書」

 

「年金振込通知書」

6月から翌年4月(2か月に1回)まで支払われる金額を知らせるもの。

年1回の送付で、年金支払額や受取金融機関に変更があった場合は、その都度送付されます。

 

「年金額改定通知書」

前年度の年金額に改定があった場合、送付されます。

 

もし、紛失した場合でも「ねんきんネット」「電話」「最寄りの年金事務所」で再交付が可能です。
年金振込通知書を無くしてしまったのですが、再発行はできますか。

 

・取得方法

郵送、ねんきんネット、電話、最寄りの年金事務所

 

・有効期限

直近のもの

 

 

4.書類以外で契約時に必要なものは?

 

不動産屋から渡された契約書類や、ここまで説明してきた必要書類を準備したら

 

・認印
・実印
・銀行印(銀行お届け印)、引落口座の番号がわかるもの

 

これらも準備しておきましょう。

契約内容によっては必要ない印鑑もあるので1つずつ説明しますね!

 

・認印(みとめいん)

 

自分の苗字や名前が入っているもので、100均で売ってるような普通の印鑑でOKです。

ちなみにシャチハタはNGです。

 

・実印(じついん)

 

印鑑証明を提出している場合は、契約書の捺印は実印になるので準備しておきましょう。

 

実印を準備するには役所で印鑑を登録する必要がありますが、基本的にどんな印鑑でも登録できますよ。

 

ただし、サイズなど市区町村によっては規定の違いはありますので役所に確認は必要です。

 

・銀行印(銀行お届け印)、引落口座の番号がわかるもの

 

「銀行印」とは金融機関で座を開設するときに使った(登録した)印鑑です。

 

家賃が口座引落しの場合は、引落しをしたい口座に登録した印鑑(銀行印)を持っていきましょう。

※口座開設時に印鑑が不要だった場合は持参の必要はありません。

 

「口座番号」は通帳やキャッシュカード、銀行のアプリでわかりますので、こちらも準備しておいてくださいね。

 

また、もし銀行印がどれか分からない場合は、銀行の窓口でどの印鑑か教えてもらうことができますよ。

 

銀行に行く時間がない方は、とりあえず思い当たる印鑑で捺印すればOK。

 

後日、管理会社や保証会社から連絡があるので、そのタイミングで印鑑を変更するか、銀行の窓口で登録した印鑑を教えてもらいましょう。

 

 

5.必要書類はいつ用意すればいい?

 

必要書類は契約時に必要なので、契約書の記入時には用意しておきましょう。

 

では、いつ契約書を記入するのか?となると思うのですが

 

大体、物件の入居申込み後、保証会社の審査を経て4日~7日前後で契約書ができたと不動産屋から連絡があります。

 

入居日(契約日)との兼ね合いもありますが、引越しする1週間前までには契約書の記入や必要書類の提出を終えるのがベターですね。

 

先に契約書を記入して、必要書類は後日用意するのでも構いませんが

必要書類を全て提出しないと鍵をもらえないことが多いので注意してください。

 

もちろん入居日によっては、引越しまでに全ての書類を用意するのが難しい場合もあるので

書類関係は入居後でも了承してくれるかどうか、不動産屋に確認してみましょう。

 

 

6.必要書類の注意点

 

ココに注意

・原本を提出
・住所の確認
・住民票の記載事項

 

この3点には気を付けてください。

 

6-1. 原本を提出

 

基本的にですが、「住民票」「印鑑登録証明書」「生活保護決定通知書」原本(役所が発行したもの)の提出になります。

 

それ以外の書類はコピーで問題ないことが多いですね。

 

6-2. 住所の確認

 

提出予定の必要書類に記載されている契約者の住所「現住所」と合っていますか?

 

ここは原則、合わす必要があるのですが家主や管理会社によっては、そこまで厳しくない場合もあります。

 

現住所が違う場合は一度不動産屋に相談しましょう。

 

ただ、経験的には契約書は「現住所」で記入することが多いかと思います。

 

6-3. 住民票の記載事項

 

住民票を役所で取得する際、窓口の人に記載事項について聞かれると思います。

 

記載事項とは

・生年月日
・性別
・住所
・前住所
・本籍
・世帯主、続柄
・マイナンバー
・住民票コード

などなど結構たくさんあります。

 

上記の中で

記載不要

・本籍
・世帯主、続柄
・マイナンバー
・住民票コード

 

この4つについては基本的に記載の必要がないことが多いです。

 

むしろ、「マイナンバー」「住民票コード」については記載してしまうと

個人情報保護の観点から 不動産屋が受け取ることができない可能性が高いので注意してください。

 

「本籍」「世帯主、続柄」の2点については契約形態や家主、管理会社によって必要になる場合があるので不動産屋に必要かどうか確認しましょう。

 

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

必要書類は種類も多く、ややこしいものもありますので何かと準備するのは大変かと思います。

 

本当に僕みたいな仲介業者も混乱するほど、家主や管理会社によってバラつきがあったりするんですよね……

 

なので、みなさんは本記事を参考にしていただいて始めに必要書類はなにがいるのか、担当営業に確認してくださいね!

 

そうしたら、事前に準備がしっかりできるので、書類が準備できず鍵の受取りが遅れるなんてことにはなりません。

 

また引越しをスムーズにするためには「賃貸契約の流れ」を把握することが大切だと思うので、他記事もご紹介しておきますね!

入居申込書の書き方、注意点【賃貸契約の流れ】徹底解説

保証会社の審査の期間ってどのくらい?【賃貸契約の流れ】徹底解説

賃貸の重要事項説明書とは?本当に大切なところを解説します。

賃貸契約書の書き方(個人契約)【賃貸契約の流れ】徹底解説

 

時間があるときにでも目を通してください。

 

ではでは〜

 

 

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