こんにちは、シロです。
現役で不動産の賃貸仲介営業をしながらブログ執筆をしています。
→何故ブログを始めようと思ったかはこちら 【不動産営業の本音】ブログ執筆で暴露します。
こんな疑問を解決します。
みなさん、「敷金、礼金」のことをきちんと理解していますか?
何回も引越しをしている方なんかは分かってるかと思いますが、「今回が初めての賃貸!」という方は難しいと思います。
本記事は、「敷金、礼金」のことを網羅している記事になりますので最後まで読んでもらえると、まるっとお見通しだ!状態になることができます。(古いネタですみません。)
少し長いので、忙しい方は気になるところに飛んでくださいね!
結論
- 敷金と礼金の違いは「戻ってくるか、こないか」です。
- 「敷金礼金1ヵ月」とは初期費用で家賃の1ヵ月分が必要ということです。
では解説していきます。
1.敷金と礼金の違いとは
敷金、礼金の大きな違いは「退去後に戻ってくるか、こないか」の違いです。
敷金、礼金がどんなお金かを簡単に説明しますと、
【敷金】
契約時(入居時)に家主に預けるお金です。
使用用途としては、
敷金の使用用途
- 退去時に現状回復の費用に充当される
- 家賃滞納時に敷金から差し引かれる
こんな感じですね。
「現状回復の費用」とはなんぞや?という方は下記の記事をご覧ください。
なので、家賃滞納がなければ退去後に部屋の中で傷つけたり、汚したりした箇所の修理費を差し引いた金額が戻ってきます。
要は、部屋を綺麗に使って、退去時に掃除を軽くしたら全額戻ってくるということですね。
どれぐらいで戻ってくるかというと、だいたい退去後1ヵ月以内と思ってもらえればいいかと。
どこまでが入居者(借主)の負担になるかについては現状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)を参考にしてください。(25、26ページの「別表3」が分かりやすいです。)
代表的なところでいくと、
入居者負担の例
- ネジ、クギNG(押しピンOK)
- ペットによる汚損、破損
- タバコによるクロスの黄ばみ
- 結露や換気を怠ったことによるカビの発生
- 通常の使用方法以外で故障した設備の修理
※物件の使用状況等によって異なります。
※民法等に反しない限り特約設定も可。
上記を注意するといいですね。
【礼金】
契約時(入居時)に家主に払う「お礼金」になります。
使用用途としては、、、不明です。
なぜ、礼金が存在するかについては下記の記事を参考にしてもらえると幸いです。
ただ、退去時には戻ってきません。これは間違いないです。
ポイント
・敷金と礼金の違いは退去後に、戻ってくるかこないか。
・敷金→家賃をしっかり払って、部屋を綺麗に使えば基本的に全額戻ってくる。
・礼金→全額戻ってこない。
2.敷金1ヵ月、礼金1ヵ月とはどういう意味か
これは簡単で「家賃の1ヵ月分」という意味ですね!
例えば、家賃7万円の場合は
- 敷金1ヵ月→敷金7万円
- 礼金2ヵ月→礼金14万円
こんな感じです。
基本的に管理費(共益費)は計算に含めませんが、たまに入れている家主や管理会社もありますので注意が必要ですね。
また支払うタイミングは、契約時に初期費用として支払います。
「1ヵ月」と表記があるからといって、毎月支払うことはありませんので安心してくださいね!
初期費用について気になる方は下記の記事もどうぞ。
3.敷金、礼金の相場はいくらなのか?
では、敷金、礼金の相場はどれぐらいなのでしょうか?
これは物件によってかなり差がありますので、あまり参考にならないかもですが、
・敷金→1ヵ月~2ヵ月
・礼金→1ヵ月~2ヵ月
・敷金、礼金を合わせて1ヵ月~2ヵ月
一応、上記のようになります。
ただ当然ですが、人気エリアや人気物件ほど高い傾向にありますし、不利な条件のある物件ほど安い傾向もありますね。
なので、あなたの気に入る物件の相場と少し違う場合もあるので、実際に物件を探してみるのが手っ取り早いですよ!
ちなみに詳細な相場、エリアによる違いについては「平成26年度住宅市場動向調査について」が参考になりますね。
また別記事でまとめるので、良ければご覧ください。
4.敷金・礼金が無しのゼロゼロ物件がある理由
物件を探していたらわりと「敷金礼金ゼロ!」物件ってありませんか?
そんなことはありませんよ!
基本的に物件の契約条件は家主が決めています。
敷金、礼金をゼロにするからといって「気前がいい家主なのか」と言われたら、そういう訳でもないです。
ただ、多くの「敷金礼金ゼロ物件」は家主なりの考えがあって条件を決めています。
これについて解説していきますね。
4-1.敷金がゼロの理由
「1.敷金と礼金の違いとは」で解説しました通り、敷金とは、
敷金の使い方
- 退去時に現状回復の費用に充当される
- 家賃滞納時に敷金から差し引かれる
こういった使用用途になります。
敷金がゼロの理由は、下記の対策をしているから。
・現状回復の費用→「退去後に実費を請求する」
・家賃を滞納したとき→「保証会社に加入または保証人を用意してもらう」
下記で詳細を解説していきます。
現状回復の費用について
敷金が0円ということは退去時に現状回復費を「実費」で支払うことになりますね。
要は、傷つけたり汚したものは修理して退去するいうことです。
入居者負担部分は現状回復ガイドラインを参考にしてくださいませ。(25、26ページの「別表3」が分かりやすいです。)
そうなんです。
よく敷金がゼロだと、退去時にかなりお金を請求されるという誤解があるようですが、そういうわけではないので安心してください。
結局のところ、敷金があってもなくても入居者の責任範囲は変わりません。
なのでクリーニング費を、
ポイント
・先に敷金として預けて、余った分を返してもらう
・実費を後払いで払う
これだけの違いですね。
ただ、1つ注意点なのが「定額クリーニング費」(特約)として契約書に明記されてる場合です。
この場合は、退去時に決まった金額を支払う必要がありますね。(大体20,000円~40,000円)
その金額でクリーニング費や修理費が足りない場合は、また別途請求されますので注意です!
家賃を滞納したときについて
敷金がないということは家賃の滞納に備えて、家主に対して自分を保証しないといけないんですよね。
なので、下記を不動産屋にお願いされるかと思います。
- 保証会社に加入する
- 保証人を用意する
- 保証会社に加入して、保証人も用意する
4-2.礼金がゼロの理由
礼金がゼロの場合に考えられるのが、
礼金ゼロの可能性
- 物件のマイナス条件
- 設備が古い
- 空室が多い
- 付帯費用が多い
上記4つの可能性があります。詳細を下記にまとめますね。
物件のマイナス条件とは
マイナス条件の例
- 駅から遠い
- コンビニ、スーパーが遠い
- 築が古い(30年以上)
- 4階以上の階段
こういった条件は入居者が決まりにくいので、礼金が安くなってる場合があります。
設備が古い
これは例えば、
設備が古い例
- エアコンが15年以上
- モニター付きのインターホンではない(受話器だけ)
などですね。
ポータルサイトなどで、実際に物件の写真を見てもらったら「古そうな感じだなー」と分かるかと。
リフォームやリノベーションはお金がかかりますので、礼金も付いている可能性が高いです。
空室が多い
同じ物件で複数の空室があると、家主は心理的に弱気になっている可能性が高いです。
引越しシーズンならともかく、それ以外の期間は礼金などの初期費用を抑えて、とにかく入居してほしいと考えているんですよね。
なので、空室が多いと礼金が通常より下がっていたり、条件交渉に応じてもらいやすかったりしますよ!
付帯費用が多い
これは要注意なのですが、
礼金がゼロなので初期費用が安いと思っていた。
だけど実際に見積りを出してもらったら、そうでもなかった。。。
なんてこともあります。
よくある付帯費用が、
付帯費用の例
- 防虫・消毒費用(1万~3万)
- 24時間安心サポート(1万~2万)
- ハウスクリーニング費用(2万~4万)
- エアコン清掃費(1万ぐらい)
- 事務手数料(0.5万~2万)
こんなところですね。
「ハウスクリーニング費用」、「エアコン清掃費」に関しては入居時も退去時も請求してくる悪徳不動産屋もありますので注意が必要です。
物件を案内してもらう場合は、ざっくりでもいいので初期費用を聞いておくのをオススメします。
上記の4項目が「礼金ゼロ」の物件に多いパターンですね。
5.敷金礼金が高い場合は交渉もできます。
こんな方はバンバン交渉していきましょう。
家賃や礼金って絶対条件ではないんですよね。
なので、閑散期なんかは少し下がっていたりします。
また家賃交渉、礼金交渉は普段からよくありますので、ハードルは高くないですよ!
逆に交渉しないと損ですね!
詳しい交渉方法や言い方、タイミングは下記の記事をどうぞ。
どうしても初期費用がしんどい場合は、クレジットカード対応店や分割払い相談の不動産屋も選ぶといいですよ。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか。
長くなってすみません。。。
おさらいすると、
敷金と礼金の違い
- 「退去後に戻ってくるか、こないか」の違い
【敷金】
- 契約時(入居時)に「家主に預けるお金」
【礼金】
- 契約時(入居時)に家主に払う「お礼金」
敷金1ヵ月、礼金1ヵ月の意味
- 「家賃の1ヵ月分」という意味
【敷金、礼金の相場】
- 敷金→1ヵ月~2ヵ月
- 礼金→1ヵ月~2ヵ月
- 敷金、礼金を合わせて1ヵ月~2ヵ月
敷金がゼロの場合
- 退去時にクリーニング費を「実費」で支払う
礼金がゼロの場合
- 物件に不利な条件
- 設備が古い
- 空室が多い
- 付帯費用が多い
以上です。
これから物件探される方には、気に入った物件が見つかった後の「契約の流れ」が重要になってきますので下記の記事もぜひ、参考にしてくださいね!
ではでは~