こんにちは、シロです。
現役で不動産の賃貸仲介営業をしながらブログ執筆をしています。
→何故ブログを始めようと思ったかはこちら 【不動産営業の本音】ブログ執筆で暴露します。
・なんで仲介手数料が無料の物件があるの?
・不動産屋の利益は大丈夫なの?
・もしかして訳アリ物件じゃないよね?
こんな疑問にお答えします。
スーモやホームズで賃貸物件の情報を見ているときに、仲介手数料が無料の物件が出てたりしますよね?
あれって結構からくりがあったりします。
他にも、同じ物件なのに不動産屋によっては仲介手数料が無料になっていたりもすると思います。
世の中のおいしい話には大抵裏があるものですが、仲介手数料についてもこれは言えまして、
「仲介手数料は無料だが付帯費用が異常に多い」
「礼金が上乗せされていた」
「物件に問題がある可能性」
などなど。
本記事では、仲介手数料が無料の物件について仕組みやデメリットを解説します。
「仲介手数料が無料」でアピールして集客を行い、いろいろ悪さをする不動産屋もいますので
そういった悪徳不動産屋に騙されないように損をしないポイントを抑え、納得のいくお引越しをくださいね!

という方は別記事の「仲介手数料」とは?相場を解説します。をご覧ください。
では解説していきますね。
1.仲介手数料を無料にできる理由は主に4つ
仲介手数料を無料にできる理由は以下の4つの可能性が高いですが、少し複雑なので先に登場人物を説明しておきます。
・お客さん→家を借りる人
・家主→家を貸す人
・管理会社→家主に物件の管理を依頼されている会社
・仲介業者(不動産屋)→お客さんと家主(管理会社)の間に入って、契約を成立させる会社
下の図を見てもらうと分かりやすいかもです。
こんな感じになっていますね。
別記事で仕組みについて詳しく解説しているので、そちらも読んでもらえると理解が深まるかと思います。
【重要】賃貸仲介の仕組み│知らないと大損してしまうかも...
では仲介手数料を無料にできる理由を見ていきましょう。
①家主が払っているから
「仲介手数料とは?」の記事で解説した通り、お客さんが物件を契約すると不動産屋は
お客さんと家主の両者から報酬として仲介手数料をもらいます。
ちなみに仲介手数料には法律で決まった上限があって
参考
第四貸借の媒介に関する報酬の額
宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額( 当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。) の合計額は、当該宅地又は建物の借賃( 当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものである場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。) の一月分の一・〇八倍に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たつて当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の〇・五四倍に相当する金額以内とする。
(宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額)
※現在は消費税が1.1倍になっています。
というふうに両者から最大で賃料の1ヶ月分(税別)しか受け取れません。
つまり、お客さんが払う仲介手数料を家主が負担した場合は「お客さん」の手数料は無料にできますよね。
ただ、1件当たりの売り上げが賃料の1ヶ月分(賃料にもよりますが)ではやっていけない不動産屋が多いです。
なので不動産屋は「仲介手数料」ではなく「広告料」(AD、BK、業務委託料など)という名目で家主から賃料の大体1ヵ月~2ヵ月の報酬を受け取ったりしています。

仲介手数料が無料の物件は、この広告料が多い物件ということになりますね。
「広告料」このワードは後々、重要になってきますので覚えておいてくださいね!
②「仲介手数料」以外の名目で請求されてるから
仲介手数料が無料でも、その他の「付帯費用」を多く取られている場合があります。
付帯費用とは
- 防虫、消毒費用
- 抗菌コート
- 24時間安心サービス
- 書類作成費
- 事務手数料
などなど。
不動産屋はあの手この手で名目を変え、売り上げを上げようとしてきます。
ただ、こういった付帯費用は家主、管理会社から請求があるものなら契約条件になるので
気に入った物件を契約したいのなら仕方がない場合もあります。
でも家主、管理会社の契約条件ではない場合は本来、必要のないものです。
契約条件でない付帯費用は仲介業者の売り上げになるだけなので、少しおかしいと思ったら他の仲介業者でも見積りを取ってもらうことをオススメします。
③家主との直接契約だから
これは「仲介手数料」とは?相場を解説します。でも触れましたが、家主との直接契約の場合は仲介手数料が発生しません。
理由は単純で、そもそも物件の仲介をしたものがいないから仲介手数料を払う相手方がいないということになります。
もし、スーモやホームズで同じ物件なのに1社だけ仲介手数料が無料の不動産屋があった場合は、その不動産屋が家主の可能性があるかと思います。
宅建業法上も、家主との直接契約は仲介手数料が発生しません。
ただこれも、仲介手数料は無料でも「付帯費用」で逆に初期費用がかさむ場合があるので注意が必要です。
あと、わりと勘違いされている方が多いのですが、「管理会社」と直接契約しても仲介手数料は無料にならない場合が多いですからね。
なぜなら管理会社も家主に管理依頼をされている会社になるので、家主と直接契約するわけではないからです。
まあ良心的な管理会社なら多少は安くなるかもですが、ほとんどの場合は

と言われるかと。

④会社的判断
会社的判断で仲介手数料無料を押している場合は「集客重視」が考えられます。
客数を増やして単価より成約数重視で、家主よりもらう広告料で稼ごうという判断ですね。
ただこの場合は広告料の多い物件を中心に紹介される可能性が高くなりますので注意が必要です。
民間の会社として当然ですが利益を上げないといけないので、どこかで元は取らないといけません。
では、なぜ広告料が多い物件は注意が必要なのでしょうか?
次で仲介手数料が無料の物件のデメリットを解説していきますね。
2.仲介手数料が無料の物件のデメリットは2つあります。
先ほど賃貸物件で仲介手数料が無料になる理由を解説しました。

客数を増やしても、そもそもの引越しをするお客さんの母数も多くはないですし競合も真似をしてきます。
そこで民間の会社としてどこかでカバーをしようと考えますよね?
これが仲介手数料無料のデメリットに繋がってきます。
デメリット①人気物件は紹介されない可能性
人気物件は家主からもらえる広告料が多くはありません。
人気物件とは新築や築浅の物件のことで、すぐに決まってしまうものを言います。

つまり、仲介手数料が無料の物件や不動産屋は広告料を多くもらえないと会社として成り立たないので、人気物件はあまり紹介されないということになります。
ちなみに普通に仲介手数料をとっている会社であれば、家主から広告料をたくさんもらってなくても問題ないので人気物件も紹介してくるかと思いますよ。
あと、広告料が多く出ている物件は何かしらの問題がある物件で長く空いているか、家主の気前が異常に良いかになってきます。
デメリット②初期費用が逆に高くなる可能性
先ほどの広告料ですが2ヵ月以上もらえるところはあまり多くはありません。
そうなってくると仲介手数料を無料にした場合は、やはり不動産屋としては厳しいところがあります。
なので、「②仲介手数料以外の名目で請求されてるから」説明したように、「付帯費用」や「礼金」を上乗せしてくる場合がありますね。
やはり家主ではなく仲介業者に支払うものを勝手に明細に入れられてないか確認のため、相見積もりは必ず取ることをオススメします。
相見積もりはスーモやホームズで初期費用が知りたいと問い合わせをすればOKです。
もしかしたら相見積もりということで仲介手数料を無料までいかずとも、頑張ってくれる不動産屋も出てくるかもしれません。
変に仲介手数料無料で付帯費用や礼金を上乗せされるより、安くしてもらった方がトータルコストは低くなる可能性が高いですよ。
3.まとめ
いかがだったでしょうか?
仲介手数料を無料にできる理由やデメリットについて解説しました。
おさらいになりますが、
仲介手数料を無料にできる理由4つ
- ①家主が払っているから
- ②「仲介手数料」以外の名目で請求されてるから
- ③家主との直接契約だから
- ④会社的判断
仲介手数料が無料の物件のデメリット2つ
- ①人気物件は紹介されない可能性
- ②初期費用が逆に高くなる可能性
以上ですね!
仲介手数料を無料で押している物件や不動産屋は何かしらで元を取ろうとしてくる可能性が高いので、あまりオススメはできませんね。。。
それだったら「仲介手数料が無料」に縛られず、普通に物件を探してから交渉した方が断然オススメですよ。

なので、普通に物件を紹介してもらって決めた後に「交渉」する方が無難です。
仲介手数料や礼金、家賃の交渉方法については別記事で解説しますね!
ではでは~