こんにちは、シロです。
現役で不動産の賃貸仲介営業をしながらブログ執筆をしています。
→何故ブログを始めようと思ったかはこちら 【不動産営業の本音】ブログ執筆で暴露します。
・なんで仲介手数料が無料の物件があるの?
・不動産屋の利益は大丈夫なの?
・もしかして訳アリ物件じゃないよね?
こんな疑問にお答えします。
スーモやホームズで賃貸物件の情報を見ているときに、仲介手数料が無料の物件が出てたりしますよね?
あれって結構からくりがあったりします。
他にも、同じ物件なのに不動産屋によっては仲介手数料が無料になっていたりもすると思います。
世の中のおいしい話には大抵裏があるものですが、仲介手数料についてもこれは言えまして、
「仲介手数料は無料だが付帯費用が異常に多い」
「礼金が上乗せされていた」
「物件に問題がある可能性」
などなど。
本記事では、仲介手数料が無料の物件について仕組みやデメリットを解説します。
「仲介手数料が無料」でアピールして集客を行い、いろいろ悪さをする不動産屋も少なからずいるんですよね。
そういった悪徳不動産屋に騙されないように損をしないポイントを押さえ、納得のいくお引越しをしてくださいね!
という方は別記事の「仲介手数料」とは?相場を解説します。をご覧ください。
では解説していきますね。
1.仲介手数料を無料にできる理由は主に5つ
仲介手数料を無料にできる理由は以下の5つの可能性が高いですが、少し複雑なので先に登場人物を説明しておきます。
・お客さん→家を借りる人
・家主→家を貸す人
・管理会社→家主に物件の管理を依頼されている会社
・仲介業者(不動産屋)→お客さんと家主(管理会社)の間に入って、契約を成立させる会社
下の図を見てもらうと分かりやすいかもです。
こんな感じになっていますね。
別記事で仕組みについて詳しく解説しているので、そちらも読んでもらえると理解が深まるかと思います。
【重要】賃貸仲介の仕組み│知らないと大損してしまうかも...
では仲介手数料を無料にできる理由を見ていきましょう。
①家主が払うADが多いから
お客さんが物件を契約すると、仲介業者は家主からADをもらいます。
ADが多いと十分な利益があるため、お客さんからの仲介手数料がなくても大丈夫なんですよね。
ちなみに「仲介手数料とは?」の記事では触れませんでしたが、基本的に家主からは「仲介手数料」という名目でお金をもらいません。
なぜなら仲介手数料の名目では1ヵ月分を越えて報酬をもらえないから。
少し脱線しましたが、仲介手数料が無料の物件はADが多いということになります。
②「仲介手数料」以外の名目で請求されてるから
仲介手数料が無料でも、その他の「付帯費用」を多く取られている場合があります。
付帯費用とは
- 防虫、消毒費用
- 抗菌コート
- 24時間安心サービス
- 書類作成費
- 事務手数料
などなど。
仲介業者はあの手この手で名目を変え、売り上げを上げようとしてきます。
ただ付帯費用は家主、管理会社から請求があれば契約条件になるんですよね。
なので気に入った物件を契約したいなら仕方がない場合もあります。
でも家主、管理会社の契約条件ではない場合は本来、必要のないものですよね。
また仲介手数料を請求しておきながら、「書類作成費」「事務手数料」を取ってきたら宅建業法違反になります。
なので少しおかしいと思ったら他の仲介業者でも見積りを取ってもらうことをオススメします。
③サービスが制限されているから
仲介手数料が無料の場合は仲介業者のサービスが制限される可能性があります。
具体的には下記のような感じです。
サービスの制限の一例
- 紹介できる物件が限られる
- 一部地域のみ対応
- 物件の内見はなし
仲介業者の手間を減らす代わりに仲介手数料を無料にしているパターンですね。
これは仲介業者やサービスによって、内容が変わってくるので確認が必要です。
④家主との直接契約だから
家主との直接契約の場合は仲介手数料が発生しません。
→不動産賃貸の初期費用でかかる「仲介手数料」とは?相場を解説します。
そもそも物件の仲介をしたものがいないから、仲介手数料を払う相手方がいないということですね。
スーモなどで同じ物件なのに1社だけ仲介手数料が無料の不動産屋があった場合は、その不動産屋が家主の可能性があるかと思います。
宅建業法上も、家主との直接契約は仲介手数料が発生しません。
ただこれも、仲介手数料は無料でも「付帯費用」で逆に初期費用がかさむ場合があるので注意です。
ちなみに「管理会社」と直接契約しても仲介手数料は無料にならない場合が多いですからね。
→仲介手数料は無料?管理会社に直接申し込みをした場合の話【賃貸】
まあ良心的な管理会社なら多少は安くなるかもですが、
ほとんどの場合、こう言われるかと。
⑤会社的判断
会社的判断で仲介手数料無料を押している場合は「集客重視」が考えられます。
ただこの場合はADの多い物件を中心に紹介される可能性が高くなるので注意が必要です。
民間の会社として当然ですが利益を上げないといけないので、どこかで元は取らないといけません。
では、なぜADが多い物件は注意が必要なのでしょうか?
次で仲介手数料が無料の物件のデメリットを解説していきますね。
2.仲介手数料が無料の物件のデメリットは2つあります。
先ほど賃貸物件で仲介手数料が無料になる理由を解説しました。
客数を増やしても、そもそもの引越しをするお客さんの母数も多くはないですし競合も真似をしてきます。
そこで民間の会社としてどこかでカバーをしようと考えますよね?
これが仲介手数料無料のデメリットに繋がってきます。
デメリット①人気物件は紹介されない可能性
仲介手数料が無料だと、人気物件はあまり紹介されない傾向にあります。
なぜなら人気物件は家主からのADが少ないから。
ちなみに人気物件とは新築や築浅の物件のことで、すぐに決まってしまうものを言います。
つまり仲介手数料が満額(1.1ヵ月)の仲介業者でしか積極的に取り扱わない可能性がわりと高め。
ADが少なくて、仲介手数料も無料にしていれば完全に赤字ですからね。
なので仲介手数料が無料だと、ADが少ない人気物件は紹介されにくい傾向にあります。
ただADが多いと「長期の空室」や「何かしらの問題あり」の可能性もあるので注意です。
デメリット②初期費用が逆に高くなる可能性
仲介手数料が無料だとトータルで見たときの初期費用が高くなる可能性もあります。
仲介手数料無料で集客して、付帯費用や礼金を上乗せしてくる仲介業者もいますからね。
また紹介してきやすいADが高い物件は、礼金も高いパターンが多いです。
やはり仲介手数料を無料にすると、業者としては利益が厳しいんですよね。
なので少しでも違和感を感じたら、相見積もりを取りましょう。
3.まとめ
いかがだったでしょうか?
仲介手数料を無料にできる理由やデメリットについて解説しました。
おさらいになりますが、
仲介手数料を無料にできる理由5つ
- ①家主が払うADが多いから
- ②「仲介手数料」以外の名目で請求されてるから
- ③サービスが制限されているから
- ④家主との直接契約だから
- ⑤会社的判断
仲介手数料が無料の物件のデメリット2つ
- ①人気物件は紹介されない可能性
- ②初期費用が逆に高くなる可能性
以上ですね!
「仲介手数料が無料」をアピールしている物件や不動産屋は、他で元を取ろうとしてくる可能性が高いです。
なのであまりオススメはできませんね。。。
もちろんキャンペーン等で、仲介手数料を無料している場合もあります。
ただ「仲介手数料が無料」に縛られず、普通に物件を探してから交渉した方が断然オススメですよ。
仲介手数料の交渉方法については下記の記事を参考にしてください。
→仲介手数料の交渉方法!注意点やタイミングについて解説します。
なぜなら家主からのADが少ない「人気物件」は紹介されない可能性が高いですからね。
なので、普通に物件を紹介してもらって「交渉」する方が無難です。
→仲介手数料の交渉方法!注意点やタイミングについて解説します。
→【超簡単】家賃の値下げ交渉の相場や言い方、タイミングを解説します。
→【失敗しない】賃貸物件の初期費用「礼金」について交渉方法、タイミングを解説します
ではでは~