こんにちは、シロです。
現役で不動産の賃貸仲介営業をしながらブログ執筆をしています。
→何故ブログを始めようと思ったかはこちら 【不動産営業の本音】ブログ執筆で暴露します。
・「敷金・礼金なし」のデメリットってあるの?
・どんなデメリットがあるの?
・「敷金・礼金なし」って本当にお得なの?
こんな疑問にお答えします。
賃貸物件を探していたらかなりの確率で「敷金・礼金」ってありますよね?
家賃1ヵ月分とか2ヵ月分って高くないですか?
これが「ゼロ」になるなんて嬉しいですよね。
普通そうなりますよね。
確かに「敷金・礼金なし」には何点かデメリットがあるんですよ。
でもデメリットを知ることによって対策もできますし、人によっては気にならないかもしれません。
本記事では「敷金・礼金なし」のメリット、デメリットについて詳しく解説していますので、ぜひ、お得な部屋探しの参考にしてください。
少し長くなってしまったので結論が気になる方は、目次から飛んでくださいね!
では、解説していきます。
1.そもそも敷金・礼金とは?
まずは、敷金・礼金について簡単に説明しますね。
【敷金】
契約時(入居時)に家主に預ける保証金のようなものです。
主な使用用途は下記になります。
敷金の使用用途
- 退去時の現状回復の費用に使う
- 家賃を滞納したときに、まず敷金から回収する
【礼金】
契約時(入居時)に家主に支払うお礼金になります。
使用用途などは特に決まっていません。
昔からの慣習になっているので、現在では契約条件の一部みたいな扱いですね。
敷金・礼金の詳しい解説は下記の記事が参考になるかと。
2.相場はどのくらい?
敷金・礼金の相場は下記になります。
敷金・礼金の相場
- 敷金→1ヵ月~2ヵ月
- 礼金→1ヵ月~2ヵ月
- 敷金、礼金合わせて1ヵ月~2ヵ月
こんな感じです。
最近では賃貸物件も増えてきて、入居者を確保するために敷金・礼金なしの「ゼロゼロ物件」も多くなりましたね。
詳しい相場やエリアによる違いについては「平成26年度住宅市場動向調査について」が参考になります。
3.「敷金・礼金なし」のメリット、デメリット
敷金・礼金なしのメリットは、とにかく初期費用が安くなること。
一般的に、賃貸物件の初期費用は家賃の5~6ヵ月分かかります。
先ほど、相場を解説しましたが敷金・礼金は合わせて1~2ヵ月分かかるのが多いです。
ということは、仮に家賃が8万円とすると
初期費用40万~48万のうち、敷金・礼金なしなら8万~16万安くなるということですね。
これが敷金・礼金なしの一番のメリットになるかと。
→賃貸の初期費用について
そうですね。共通して言えるデメリットは「物件が少ない」ということです。
他にもデメリットはありますが、敷金と礼金は目的が違うお金になるので、分けて解説していきますね!
また敷金・礼金なしの「理由」や「何故なしにできるのか」については、下記の記事を参考にしてください。
3-1.「敷金なし」のデメリット
敷金なしということは、何かあったときの備えがないため家主のリスクが上がりますよね?
「敷金なし」は家主のリスクを減らすために、契約者は下記のデメリットを負います。
「敷金なし」のデメリット
- 保証人を用意する
- 保証会社に加入する
- 保証会社に加入して、保証人も用意する
詳細を解説していきますね。
3-1-1.保証人を用意する
保証人(連帯保証人)とは、契約者(名義人)と同じ責任を持ちます。(一般的には家賃の24ヶ月分まで)
例えば、家賃滞納分や部屋の修繕費などは契約者が払わなければ保証人に請求されるんですよね。
ということは家主は契約者がダメでも、保証人から回収できる可能性があるのでリスクが減ります。
なので「敷金なし」の場合は保証人を用意してほしい、となる可能性が高いので手間がかかるデメリットがありますね。
3-1-2.保証会社に加入する
保証会社とは簡単に言えば、保証人の代わりをしてくれる会社のことですね。
加入するには審査がありまして、費用としては、
保証会社の費用
- 初回:総賃料の30%~60%、更新料:10,000円~12,000円
- 初回:総賃料の80%~100%、更新料:なし
こんなところですね。
詳細については下記の記事をどうぞ。
→保証会社とは?
どんな役割かというと、
家賃などを滞納したときの流れ
- 契約者が家賃などを滞納する
- 保証会社が家主に対して立替払い
- 保証会社より契約者に請求
こんな流れになります。
保証会社は家賃以外にも、いろいろと保証してくれますので家主には重宝されていますね。
申込み内容によっては審査時に保証会社から保証人を用意してほしいと言われることも多いですね。
ここまでが「敷金なし」のデメリットとなります。
物件によっては家主の条件で、敷金「あり」でも保証人、保証会社を求められることもありますので、
気に入った物件があれば、まずは問い合わせして確認しておきましょうね!
3-2.「礼金なし」のデメリット
礼金なしのデメリットは下記になります。
「礼金なし」のデメリット
- 物件に不利な条件がある
- 設備が古い
- 家賃が相場より高い
- 付帯費用が多い
- 違約金が付く
では、詳細を解説していきます。
3-2-1.物件に不利な条件がある
物件に不利な条件とは以下のようなものです。
物件の不利な条件
- 築が古い物件(30年以上)
- 単身用(1R、1K、1LDK)で1階または4階以上の階段の部屋
- ファミリー物件(2DK以上)で4階以上の階段の部屋
- 駅から徒歩20分以上
- 線路、墓地など避けられる場所が近い
- コンビニ、スーパーが遠い
- 1階がテナントで飲食店の場合
要は、一般的にあまり好まれない条件や特徴が物件にあるので、礼金をなしにして入居者を確保しているということですね。
これは中華料理屋や焼き肉屋だと、においや虫関係で避けられる傾向あるからですね。
まぁ人によっては気にならない条件もあるかと思います。
築が古くてもリノベしてたりするので実際に物件を見てみるのがいいですよ!
3-2-2.設備が古い
設備が古いとは例えば、
設備が古い例
- エアコンが15年以上のもの
- モニターホンがない
このあたりがイメージしやすいかと。
家主は礼金がないと、なかなか設備を入れ替える資力がない場合もあります。
なので、礼金なし物件は設備が古い可能性は考えられます。
3-2-3.家賃が相場より高い
家主には物件を建てたり、購入したときのローンがあるんですよね。
そのローンを家賃収入で返済していくんですよ。
なので、空室を埋めるために苦肉の策で礼金をなしにしてたりします。
でも礼金なしだと、設備に回すお金がないので家賃を相場より上げて回収するという考えですね。
例えば、
・家賃60,000円、礼金120,000円
・家賃65,000円、礼金ゼロ
この二つの募集条件だと、家賃5,000円の差がありますよね?
ということは、2年住むと(24ヶ月×5,000円)で12万になります。
2年経った時点で二つの条件は同じ費用ということなので、2年以上住むなら上記の条件でいくと礼金を払った方がお得ということです。
3-2-4.付帯費用が多い
付帯費用とは下記のようなものを言います。
付帯費用の例
- 保証会社の加入料(総賃料の30%~100%)
- 火災保険料(1.2万~2.5万/2年)
- 鍵交換代(1.2万~2.5万)
- 防虫・消毒費用(1万~3万)
- 24時間安心サポート(1万~2万)
- ハウスクリーニング費用(2万~4万)
- エアコン清掃費(1万ぐらい)
- 事務手数料(0.5万~2万)
などなど。結構多いですよね。
ちなみに、上記の「保証会社」「火災保険」は加入必須の物件が多いです。
礼金がなしの物件は、この付帯費用がたくさん付いている場合があるんですよ。
これは本来、礼金で対処しようとしていたものや不動産屋の収入を少しでも多く取ろうとしている可能性があるからです。
といった事になりかねないので、気になった物件は先ず見積りを取るようにしてくださいね!
3-2-5.違約金が付く
ここで言う違約金とは「短期解約違約金」のことですね。
短期解約違約金とは下記のような契約条件が一般的です。
・1年未満解約の場合、総賃料の2ヵ月分を支払うものとする。
・1年以上、2年未満解約の場合、総賃料の1ヵ月分を支払うものとする。
これは契約書や重要事項説明書の「違約金に関する事項」や「特約欄」に記載があるので必ず確認するようにしましょう。
礼金なしの場合、家主は入居者に長く住んでもらうことを期待してるんですよね。
また新しいお客さんを紹介してもらう度に、不動産屋に広告料(紹介料)を支払わないといけませんしね。
→広告料とは?
こういった理由から礼金なしだと、違約金が付きやすいというのがあります。
4.「敷金・礼金なし」は本当にお得なのか?
これは難しい問題なんですよね。。。
というのも、初期費用や条件は管理会社(家主)によって幅があり過ぎるんですよ。
先ほど紹介した、敷金・礼金なしのデメリットはあくまで可能性が高いっていうだけで絶対ではありません。
例えば、立地、間取り、設備などが同レベルの物件で下記の表のようなことは普通にありますからね。
付帯費用 | ||
A物件 敷金・礼金「あり」 |
・鍵交換代22,000円 ・ハウスクリーニング代33,000円 ・24時間サポート18,000円 |
|
B物件 敷金・礼金「なし」 |
・鍵交換代15,000円 |
なので、一つの目安としては、
- 初期費用が家賃の3ヶ月分程度
- 立地、間取り、設備に特に不満がない
- 家賃が周辺物件の相場とかけ離れてない
この3点を満たしていれば、かなりお得な物件と言えますね。
気になった物件があればとりあえずネットで写真を見て、見積りを取るのがいいかと。
わりとデメリットなしで「敷金・礼金なし」物件はありますからね。(違約金があるのは多い)
5.契約するときは「契約書と重説」をしっかり確認してください
敷金・礼金なしのデメリットに納得して契約となったら、「契約書と重説」をしっかり確認しましょう。
なぜなら、「短期解約違約金」や「退去時クリーニング費用」など思わぬ契約条件が付いてくることがあるから。
そんなことはありません。
必ず確認しないといけないのは「違約金に関する事項」と「特約欄」です。
基本的に契約書の内容は国土交通省の標準契約書を元に作られてるので、大体の内容は同じなんですよね。
ただ、物件によって「違約金に関する事項」と「特約欄」は大きく違うのでここは注意です。
詳細については下記の記事を参考にしてもらえると幸いです。
6.まとめ 「敷金・礼金」があるなら交渉しましょう
いかがでしたでしょうか。
ここまでの内容を下記にまとめますね。
【敷金】
- 敷金とは契約時(入居時)に家主に預ける保証金のようなもの
- 退去時の現状回復の費用に使う
- 家賃を滞納したときに、まず敷金から回収する
【礼金】
- 礼金とは契約時(入居時)に家主に支払うお礼金
- 使用用途などは特に決まっていない
- 昔からの慣習で、現在では契約条件の一部みたいな扱い
【敷金・礼金の相場】
- 敷金→1ヵ月~2ヵ月
- 礼金→1ヵ月~2ヵ月
- 敷金、礼金合わせて1ヵ月~2ヵ月
【敷金・礼金なしのメリット】
- 初期費用がかなり抑えられる
【敷金・礼金なし共通のデメリット】
- 物件数が少なくなる
【敷金なしのデメリット】
- 保証人を用意する
- 保証会社に加入する
- 保証会社に加入して、保証人も用意する
【礼金なしのデメリット】
- 物件に不利な条件がある
- 設備が古い
- 家賃が相場より高い
- 付帯費用が多い
- 違約金が付く
お得な「敷金・礼金なし」物件の条件
- 初期費用が家賃の3ヶ月分程度
- 立地、間取り、設備に特に不満がない
- 家賃が周辺物件の相場とかけ離れてない
契約するときは「契約書と重説」の違約金に関する事項、特約欄をしっかり確認する
以上です。
敷金・礼金なしの物件に必ずしもデメリットがあるわけではありません。
またデメリットに関しても個人差があるので、許容できるかどうかは実際に物件を見てから決めるのがいいかと。
もし気に入った物件に敷金・礼金があって、初期費用がしんどい時は下記の記事を参考に交渉してみましょう。
お得に部屋探しができる「キャッシュバック系サイト」もぜひ、活用してくださいね!
【厳選まとめ】キャッシュバックのある賃貸サイト!使わないと損しちゃいます。
物件が決まったら次は契約に向かっていきますので、本サイトの「契約の流れ」カテゴリも参考にしてくださいね!
ではでは~